口害注意報

「口は災いの元、一度口に出してしまったことは、無かったことには出来ないのだから、言葉には充分注意するように」と、子どもの頃しっかり教えられた。
でも、全然身についてないみたい。
私は、頭で思ったことが、フィルターを通すことなく、そのまま口に出てしまう人間みたいで、「あ〜、やっちゃった」ということが度々あるけど、今日もやっちまったみたいだ。


来年度事業の費用対効果を、理系の上司が「X」だの「y」だの、難解な計算式で解説した資料を作っていて、周りの人間に「いやー、たいした計算式じゃないけどさ、こういうことなんじゃないかなぁ」とか半分自慢みたいに、話をもちかけていた。
みんなは、頭いい人達だから、難しい資料を見せられると闘志が湧くのか、入試に臨む受験生みたいな勢いで必死に数式を検証していた。そのとき、上司が私にも「ちょっと、この資料どう思う?」と言ってきた。
えっ、解るわけないじゃん!と思いつつ、しばらく資料を眺めていて、フッと思いついた言葉が思わず口をついて出る。
「もっと簡単に算出する方法あるんじゃないですか?」
上司もそこまでアホな質問が出るとは思ってなかったみたいで、ポカンとしていた。
その表情を見ていて、我に還り、しまったー、と思ったときには、もう遅く、数式検証グループは大爆笑。
「この人(私のこと)みんなが言いたくても言えなかったことを言っちゃったよー。」って言われ、上司には、「おいおい、一蹴かよ。」と嘆かれてしまった。

「何にもしてないのに、余計なこと言ってごめんなさい。」と上司に謝ったけど、あー失敗したなぁ。
話の解る人だったから良かったようなものの、頭の固い上司だったら、大変なことになるとこだった。
人間の本質って、多分変わらないんだろうけど、この性格だけは直さないとなぁ。(←マジで)
自分で自分が怖すぎた一瞬だった。